憲法理論叢書16

憲法理論研究会の年報の第16巻

第一部　憲法変動の現状と憲法理論

　　議員定数不均衡訴訟の過去と現在　野中俊彦
　　 ステイト・アクション法理の根底にあるもの　宮下紘
　　多文化社会における「国籍」の憲法学的考察　栗田佳泰
　　　　−リベラル・ナショナリズム論における国籍とは−
　　Ｊ・ルーベンフェルドの憲法解釈方法論に関する覚書　佐々木くみ
　　司法審査の可能性と現代行政国家　尾形健
　　　　−「政府給付(government benefits)」をめぐる司法審査の一側面−
　　 ドメスティック・バイオレンスをめぐる法政策　小島妙子
　　　　 −「人権アプローチ」と「福祉アプローチ」−

第二部　諸外国における憲法変動と憲法理論

　　アメリカにおける市民権法と表現的結社の自由との相克　金澤誠
　　　　　−政府言論の理論との関わり−
　　 カナダにおける多文化主義　菊地洋
　　　　　 −諸個人の多様性と多文化主義条項−
　　 フランスにおける国家の非宗教性原則の運用と共和主義　江原勝行
　　 現代フランスにおける「裁判権力」論と権力分立　阿部智洋

第三部　国家の基本権保護義務論争

　　第一回ミニ・シンポジウム　国家の基本権保護義務　小山剛
　　 「国家の基本権保護義務論」とは何か？　根森健
　　　　　　−現代立憲民主制における国家の役割と
　　　　　　　　　　　　　　 人権保障をもっとよく考えるために−
　　日本国憲法における基本権保護義務論の可能性　玉蟲由樹

第四部　現代改憲論の諸相

　　「個人に優しい改憲論」と立憲主義　西原博史
　　　　　　−「国民の憲法遵守義務」という新しくて古い観念をめぐって−
　　民主主義という観点からみた統治構造改革と憲法改正手続法　川崎政司
　　「立憲主義」論からみた現在の日本における憲法改正論議　山元一

書評

　　石川裕一郎　浦田一郎　木下智史